前回の第2回「CDからCD-Rにデジタルコピーしたものは同じものなのか?」が、また予想以上に反響があったため、今回も懲りずにマニアック路線を突き進みます! さて前回と同じパートナーの音のプロ、桑原さんと実験をしてみました。
パソコンの内蔵スピーカーはもうちょっとどうにかならないものか?
現在、ノートパソコンとしては、かなり使用者が多くなっていると思われる、MacBook Airを使用して実験。よく見てみるとMacBook Airには両端にスピーカー的なものが付いていない。これは、ボディ全体で音を鳴らしているからだそうです。
まずは、iTunesを起動し、実際に音を出して聴いてみました。
桑原さんの感想
小さいボディにもかかわらず、明瞭で意外と頑張っている感じがする。 中高域に明瞭度を上げる為に付けていると思われるピークが音楽再生時には気になるかも。
1. 計測
スペクトルアナライザー(スペアナ) PHONIC PAA3で、CD-Rに入れてあるピンクノイズ(*)を再生して、測定用マイクの位置は、実使用時の顔ぐらいのポイントで計測。
(*「ピンクノイズ」:音響周波数特性を計測する時に用いられる信号の一つ。パワーが周波数に反比例する雑音で同じ周波数成分を持つ光がピンク色に見えることからピンクノイズと呼ばれる。1/fゆらぎとも呼ばれる。 )


6.3KHzのピークと1600Hzのディップ800Hzのピークが気になるところ。
2. 実験開始
まず、iTunesを起動し、ヘッダ部分の「ウインドウ」から「イコライザ」を選択。
初期段階では、「Flat」に設定されています。

これ、知ってましたか?
「Flat」の部分をいじると、「Acoustic」「Dance」「Hip-Hop」「Jazz」「Rock」などの様々なセッティングが選べます。パソコンのオーディオアウトからスピーカーにつないで音を出している場合、お好みのセッティングを選ぶと低音、高音が変化していきます。
いろいろ試してみてください。
3. MacBook Airで鳴らす時のイコライザ・チューニングを開始
チューニングに使用した楽曲は、「I.G.Y.」ドナルド・フェイゲン、「Love Will Find A Way」ラムゼイ・ルイス を使用しました。
まず、スピーカーを効率よく駆動する為に32Hzをカットします。対象となるスピーカーシステムにもよりますが、今回はここに電力を使っても殆どロスになってしまいます。
次に6.3KHzのピークをカットする為、4KHzをカットして聴いてみます。6.3KHzのスライダーがあれば良いのですが、今回の10Bandの周波数設定にはありませんので、付近のバンドで対応します。
騒音の多いところでの明瞭度は下がりますが、自然な感じになってきました。
続いては、いよいよ低音部をどうやってそれらしく聞こえさせるかですが、64Hz、125Hz、250Hzのスライダーを0dBから一本づつ上げて、低音域の反応状態を、耳で確認します。この時、その周波数そのものだけではなく、倍音に対しての影響も考慮するのがコツです。
今回は基本的な低域は250Hzを中心に、125Hzでバスドラムやベースを引き出す事にします。
音量が上がらなくなっても良いという条件であれば、プリアンプを-12dBにセットしてヘッドルーム(音量の限界)を稼いで、125Hz、250Hzをフルアップする方法もありますが、今回は普通に使える範囲でやってみます。
低域の量感を上げる為に250Hzを上げた影響で500Hzが大きくなり過ぎたので、その分を下げます。
次は高域の16KHzをすこしプレゼンス感が出るように調整して、、、
完成です!


音量としては1.8dBほど下がりましたが、クセを押さえた聴き易い音質になりました!
編集部Tの感想
上のレポート、「何を言っているか、さっぱりわからない」人もいらっしゃるかと思いますが、スルーしていただいても結構です。とにかく、このセッティングで聴いてみると低音域が明らかに豊かになり、それぞれの音がパキッとクリアに鳴ります。スラップのベース太さが聴こえて大満足。素人がやると盆地のように真ん中がへっこんで両端が山型で「こんなもんだろ!」っていうセッティングをしてしまいがちですが、そこはプロの違うところ。入らないところは大胆にカットしちゃうんですね。
編集部Kの感想
32Hz、64Hz帯(下から2つ)を「出ないから」と切るのは、納得と同時に驚きでした。たしかに2つの低音用イコライザは、本体スピーカーで鳴らしている限り、いくら上下させても音の変化はありません。しかし「できるだけ低音を鳴らしたい」というスケベ心で上げてしまいがち。バッサリKillしちゃってよかったんですね!
実験結果
スペクトルアナライザーが無くても、各バンドのスライダーをひとつづつ大きくアップダウンさせてみるとピークを探したり、低域の盛り上げは可能ですので、せっかくある機能を有効に活用してみてはいかがでしょうか?
上のイコライザで一旦セッティングしてから、ボタンを上げ下げしてあなたのお好みのサウンドをカスタマイズしていく方法もあります。更に細かく、ヴォーカル中心のチューニング、バンド向けのラウドなチューニングなどのパターンを保存しておくのもいいのではないかと思います! 他のパソコンでも試してみてください。
最後に付け加えます。このイコライザのセッティングで音が変わるのは、iTunesで聴くときだけです。You Tubeや他の音源をブラウザでプレイするときには無効ですのでご注意を!





